昔の顕微鏡
エム・カテラ光学器械製作所の M.&KATERA Ⅱb 顕微鏡です。
SN.5380
1923年~1929年(大正12年~昭和4年)の間に製造されたものと思われます。
エム・カテラ顕微鏡は、発売元、製造者、媒介者、の三者の名前から頭文字を取って命名されました。松本福松(M)、加藤嘉吉と神藤新吉(*KA*製造者両人を加藤が代表)、寺田新太郎(TERA)です。
大正3(1914)年に工業製品として製造が開始された「エム・カテラ」顕微鏡は、その後の日本の顕微鏡発展の礎となりました。
顕微鏡
高さ約 31 cm
重さ 3.3 kg
接眼レンズ(3本)
No.1 6倍
No.3 8倍
No.5 13倍
対物レンズ(3本、専用ケース有り)
No.3 10倍
No.7 62倍
No.8 70倍
顕微鏡はクリーニング済の状態です。
接眼レンズや対物レンズ、ケースは全てエム・カテラ光学器械製作所の純正品です。
駆動系は全て正常に機能します。
顕微鏡の保管ケース(鍵付き)があります。
トリプルターレット仕様です。
絞り(赤色矢印)付きのアッベ・コンデンサーの下にはフィルターホルダー(黄色矢印)があります(画像 10枚目を参照)。
アイリスシリンダーダイアフラムと3個のピンホールインサート、ブルーフィルターと拡散フィルターがあります。
顕微鏡、ケース共に欠品のない状態です。
【標本観察画像(画像16~18枚目を参照)】
接眼レンズ 8 倍と対物レンズ 10倍、62倍、70倍を使用
腎臓(ウサギ)H&E染色:
画像16枚目 80倍、 画像17枚目 496倍、画像18枚目 560倍
※腎臓の中の糸球体がよく見えるので、対物レンズの状態はどれも良好です。
YouTube に動画を掲載しましたので下記をドラッグして検索し、John Cuff の動画から 5.の顕微鏡をご覧ください。
UCFtKGyFFp-Z0T8qzmBpA65w
【 外国製を凌駕する国産品づくり、松本福松が常に念願してやまなかったその願いが見事に結実したのがM.&KATERA顕微鏡の開発でした。画像17枚目にライツ社のレンズとの比較画像を載せました。遜色なく今日でも通用する見事なレンズです。】