30年ほど前に、ヨルダンのアンマンで入手し、その後、織物などの棚に置いたままに織物棚に置いたままで未使用です。ふっくらとした太い羊毛の縦糸と、淡いピンク、淡い水色に染色した羊毛を緯糸に、多分、ヨルダンの遊牧民の用いる腰機で経糸に張りを与えつつ、手編みの小さなマットです。
　本品マット地の多くは、非染色の羊毛の色で、長いフリンジ部分には、紡いだときの小さな黒い斑点の不純物があり、手作り織のため御了解下さい。また、未染色の肌色糸の一部に、薄い灰色や濃い茶色の糸が混在し、片側の端から5㌢程の部分に薄い茶の経糸が編込まれ、ある種のアクセントを与えています。なお、表と裏もほぼ同じです。
　一度洗濯をしましたけれども、色落はありませんでした。遊牧民の伝統的なマットなどでは、天然染色が使用され、本品も落ち着いた色合いですが、色落ち無しのため化学染色と思われます。
　紋様は、肌色地のマット上下の両側に施され、片方の端では淡い緑の細線の上には、山のような三角が3つ置かれ、他方の端では、淡いピンクと淡い水色の太い横帯が置かれ、その中に、淡い水色で大きめのドームか森？、その先に淡いピンクの小高い丘？が描かれます。
　伝統的に遊牧民は、ヤギの毛で敷物などを作りましたけれども、近年、シリアやトルコからの輸入ウール糸を使用しマットなどを編むと言われます。色落ち無の染色剤も多分、輸入したと考えらます。
　ヨルダンの砂に描いた紋様などが最近、日本で話題になりましたが、近代的な素材をヨルダンの伝統的なマット織り技術で仕上げた、長く使用できそうで温かみのある小型マットです。
　サイズ　縦：85㌢　フリンジ除く　フリンジ　長さ　約17-18㌢　横巾　約35㌢　重さ　約900㌘