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木村二朗「イーカロス」SM油彩,IT社会,傲慢人間への警鐘,エモーショナルな小品
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兵庫における独自のグラフィスムを体現した木村二朗(昭和11年4月1日・兵庫生)は、高校時代より各種美術展において入選・受賞を重ね、学芸員や美術関係者から高い評価を受けてきた。しかしながら、あくまでも絵画を余技とし、本業としての画業を選ばなかった点にこそ、彼の特異性がある。
その結果、一般的な“売絵”の制約から解放され、時間を味方につけた徹底的な構想と緻密な制作が可能となった。これは、画廊や美術部の需要に左右される多くの作家とは対照的であり、木村作品の完成度を支える重要な要因である。

本作《イーカロス》は、ギリシア神話におけるイーカロス墜落譚を主題とするものである。
イーカロス神話は、父ダイダロスの警告を無視し、太陽へと近づきすぎた結果、蝋の翼を失い墜落した若者の物語として知られるが、近代以降、この神話はしばしば人間の傲慢(hybris)とテクノロジーの暴走に対する批判的寓意として再解釈されてきた。

木村の《イーカロス》においても、具象的描写は排されているものの、
・上昇と下降を示唆する線構造
・崩壊寸前の均衡
・光と熱を思わせる色彩の緊張
といった要素が、神話的主題を抽象的に再構築している。
ここには、単なる神話の引用ではなく、高度経済成長期以降の技術信仰への批評性が読み取れる。

すなわち本作は、イーカロス神話を媒介として、
「人間はどこまで上昇を望み、どこで破滅へと転じるのか」
という普遍的な問いを投げかける、木村二朗の思想的到達点の一端を示す重要作といえる。
兵庫という具体の本拠地に近い地域から、これほどの前衛性を備えた作家が静かに生まれていた事実は、地域美術史の再検討を促す意味でも興味深い。

ご検討、ご入札の程、どうぞよろしく御願い申し上げます。

作家名 木村二朗 昭和11年兵庫生まれ。洲本高校卒。新象作家協会会員。
タイトル イーカロス 1999年
 シーサイドホテル舞子ヴィラ個展作 2008年
技法 キャンバスに油彩
サイズ サムホール  22,8*15,8cm
額サイズ なし
サイン 右上にサインあり。裏木枠にサイン、タイトル、年記あり。
状態 作品良好。
備考 真作保証します。
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