Yukio Chai (P. A M.)
T.W. 10 1977年 (オール単板モデル)
茶位幸男氏は、クラシックギターの製作数も多い茶位幸信氏のお兄様です。知名度は弟の幸信氏ほどではありませんが、そのギターを知る人からは高い評価を受ける製作家です。
幸信氏は完成度の高いモデルを効率良く製作するのに対して、幸男氏はコツコツ一人で製作される寡作なタイプで、指板等の材料も上質で手間もかけて製作されている割に(特に1970年代)、価格も抑え気味で、商売っ気よりも職人気質が強い方だと思われます。
出品のものは、現在ご子息の幸秀氏が製作しているやや小振りなタイプとは少し異なり、それ以前のもう少し迫力のあるタイプになります。
(1980年以降あたりから、女性等にも扱い易いように幸男氏のモデルはやや小振りなタイプになりました。幸秀氏はその流れを引き継いでいます。
余談ですが、幸男氏のラベルにはP. A M.(父と息子(マヌエル))、幸秀氏のラベルにはmanuelと印字されています。)
トップはクラシックギターでは珍しいですが、アコースティックギターの高級機で採用されたりする杢目の広い材(アディロンダックスプルース?)で、サイドバックは上質なローズウッド、指板は最上級のエボニーと思われます。
楽器性能は、幸信氏が透明感ある軽やかなタイプとすると、この頃の幸男氏は低音が響く重厚なタイプだと思われます。
演奏性も良く(ネック握り感は、幸信氏が日本人に適したやや薄めとすると、幸男氏はもう少しガッシリして海外的ですが厚みは抑えてあるため)、音量もあると感じます。
状態は、トップに多少の使用感はありますが、
サイドバックいずれも目立つキズや板割れはなく、60年近く前のものとしては美品の部類だと思います。
茶位幸男の1970年代の総単板モデル
Yukio Chai (P. A M.)
T.W. 10 1977年
をどうぞ宜しくお願いします。
弦長 : 650mm
ナット幅: 52 mm
弦高 : 12フレット 6弦3.2mm 1弦2.6mm
ネック : ほぼストレート
ギターを写真のハードケースに入れ、プチプチ等で梱包して発送いたします。