四代目「高柳晴一」作、博多鋏。
700年前、日宋貿易で活躍した宋の貿易商・謝国名が伝えたという「唐鋏」を元とする品です。
明治期の産業振興で「博多鋏」の名となり、一時は多くの職人さんがいたといいますが、近年ではこの鋏の作者、高柳さんが一人、その技を伝えていました。
高柳家は明治期に晴一さんの祖父が刀鍛冶から転じた師匠に学び、家業として受け継いでいましたが、2020年に病気のため他界、家族に跡継ぎはおらず幻となった匠の逸品です。
地金に鋼を合わせる刀と同じ作り方、新聞紙やコピー用紙くらいだと刃を紙に当てて押すだけでスッと切れていきます。
10年以上前、高柳さんを紹介する新聞記事を見て複数購入していました。最近、部屋の整理中に使う機会がなかった一本が出てきました。
- 長さ: 約19cm
高柳さんが亡くなられていたことを最近知り、ネットで検索してみましたら、一時期弟子入りしていた女性がいたようですが、この方が現在、高柳さんの仕事を受け継いでいるかは不明でした。
箱入りだったと思い探しましたが、見つかりませんでした。
鋏の刻印は「登録 宇」。高柳鋏製作所の登録商標です。
ご覧いただきありがとうございます。