大河ドラマ「光る君へ」で吉高由里子さんが演じたことで話題の紫式部作、源氏物語の原文を書道作品にいたしました。
書道師範の免状を所有しています。
A4サイズの半紙に書かれた作品です。
額やフレームなどは付属しておりません。
封筒に入れて発送します。
源氏物語 第五帖 【若紫】第三段
・源氏が小柴垣のもとから、部屋中を覗いている場面です。ここで後の紫の上となる若紫を見つけます。
原文
清げなる大人二人ばかり さては童女ぞ出で入り遊ぶ 中に十ばかりやあらむと見えて 白き衣 山吹などの萎えたる着て 走り来たる女子 あまた見えつる子どもに似るべうもあらず いみじく生ひさき見えて うつくしげなる容貌なり 髪は扇を広げたるやうにゆらゆらとして 顔はいと赤くすりなして立てり 何ごとぞや 童女と腹立ちたまへるか とて 尼君の見上げたるに すこしおぼえたるところあれば 子なめり と見たまふ 雀の子を犬君が逃がしつる 伏籠のうちに籠めたりつるものを とて
現代語訳
美しい女房二人ばかりいて、童女は出入りして遊んでいる。その中に十歳位だろうか、白い下着に山吹色の着なれた単衣を着て、走ってくる童女は、たくさんいる子たちとは比べようもなく、生い先のすばらしさを思わせる、美しい器量であった。髪は扇を広げたようにゆらゆらし、顔は泣きはらしてこすって赤くなっている。
「どうしたの。仲たがいでもしたの」
と言って、見上げた尼君の面に、少し似た処があり、「尼君の子のようだ」と見た。
「雀の子を犬君が逃がしたの。伏籠のなかに入れてあったのに」と言って