「さよならのオールスター」
このスニーカーを買ったのは、ちょうど二年前の春。彼女と博多を歩いていたとき、「こういうの、似合うと思うよ」と笑って言われたのがきっかけだった。
その日は少し肌寒くて、でも彼女はアイスを食べたいと言った。仕方なく付き合ったけれど、一口もらってみると案外おいしくて、なんだか悔しかったのを覚えている。そんな何でもない思い出が、このオールスターには染みついている。
別れてから、何度か手に取った。でも履くたびに、彼女の無邪気な笑顔や、ふとした瞬間の真剣な横顔が脳裏に浮かんでしまう。だから、もう手放そうと思う。
もし、あなたがこのスニーカーを履いて、新しい思い出を作ってくれるなら、それはきっと、こいつにとっても幸せなことなんじゃないかと思う。
サイズ28cm、使用感はありますが、まだまだ履けます。どうか、新しい物語をこの靴とともに。
——旅立ちを願って。
モデル名···オールスター