山形県天童市は、将棋駒の生産で全国の大部分を占める、一大産地です。
天童将棋駒は、平成8年に国の伝統的工芸品として指定されました。
カバノキ科の落葉高木、斧折(おのおれ)は、1年に0.2mmしか太らないと言われるほど成長が遅い樹木です。
その成長の遅さゆえ木質がとても緻密で、その名の通り斧が折れるほど堅く、また重みがあります。
将棋駒としての指し心地、駒音ともに、近年手に入りづらくなった高級木材の黄楊(つげ)にかなり近く、素晴らしい素材です。
使っているうちに味のある色つやになっていきます。
この斧折材を素材に、山形県天童市の将棋駒職人が仕上げました。
将棋駒の文字入れには彫駒、書駒、押駒とあり、こちらは手彫り後に漆で色を入れる彫駒となります。
文字は上彫と呼ばれる見やすい書体です。
素材:オノオレカンバ(斧折)